日別アーカイブ: 2014年4月9日

何にお金を掛けるか?という事

春になり、住宅設備メーカーさんから
新商品の発表のご案内が続々と届いております。
ユニットバス、洗面台、システムキッチン、エアコン、エコキュート、トイレ・・・・

新機能がついた!
業界初!
世界初!

など、など 消費者の心を揺さぶるような言葉が踊っていますね。
ほぼ毎年の様にモデルチェンジをするメーカーさんもおられます。

もちろん技術開発は大変重要な事で便利になっていく事は良い事ですし、
そういう競争も大切です。

しかし、
業界初!や世界初!の新機能は
本当に使うお客様の事を考えて付けられた機能でしょうか?

私の家は7年前に新築しました。
トイレもキッチンもお風呂もその当時のそこそこいい機能のついた機器を入れました。
しかし、全ての機能を使いきってはいません。

例えばトイレ
使った人が立ったら自動で流れるオートフラッシュは我が家ではオフにしています。
子供達がまだ小さい頃、
「トイレは立ったら流れるものだ」
と思い込んで、よそ様の家で流さないで帰ってきたら失礼だなと思いましたし、
流したくない時に、勝手に流れては水の無駄使いにもなります。

実際、子供の友達が遊びに来て、
流さないで出てくる子もいます。 きっと自分の家は勝手に流れるのでしょう。

誰が使ってるか分からない公共施設のトイレじゃあるまいし
ボタンをひとつ押すだけで済むのですから、住宅のトイレには必要ない機能だと私は思います。

確かに便利な機能ではあるのですが、
機械がよくなればなるほど、使う人間の意識が弱くなる。
そんな気がします。

自動車でも、バックモニター、衝突防止自動ブレーキ、ABS、オートクルーズ
今では勝手に車庫入れや縦列駐車までしてくれる車があるそうで・・・

その車に乗っていて、もしその機能が壊れたら駐車も出来ない!
そんなドライバーを増やしてどうするんだろう・・・

使う人間の事を第一に考えて商品開発しているのか?
はたまた、「売れる商品を作る」ための便利機能や技術開発ではないのか?
それをやらないと時代遅れだ、他社はもう導入している、
新機能がないと見栄えが悪い・・・・ などなど、商品開発の方向性が間違ってきていませんか?

 

すいません。ちょっと話がそれました。

つまり、多少不便でもいいのでは?と思うわけです。
各メーカーが自社の威信を賭けて、毎年毎年技術革新して、
毎年毎年新機能を付けた商品を発表する必要ないのでは?と思うわけです。

だって、私の家の機器だって新築した7年前は
最新の機器だったわけですが
今ではもう何代も前の古モデル。

しかし、全く不便は感じません。

新商品発表会を見ても
そーんなに革新的に変わってる訳でもないですし、
(すでに7年前の商品ですら、機能を持て余しているくらいですから)

 

そして、水周り機器やエアコンなどの電気機器はいつか壊れます。

築15年から20年のお宅をリフォームさせていただく場合、
まずはお風呂やキッチン、トイレ などの水周りです。
早ければ15年で交換です。
さすがに15年も経てば新商品との機能の差は大きいです。
水周りはまだいいでしょうが、
電気機器はもっと早いサイクルで交換が必要になってくる場合もあります。

 

実際、家を建てる時にローンを組んで、一緒に購入する設備機器。
大体の方は30年から35年のローンを組まれますが、
そこで一緒に購入した設備機器は20年もしないうちにまた交換となるのです。

 

ショールームへ見に行けば、お姉さんから新機能の説明を受けて、
いいなぁ 凄いなぁ と新生活への夢にうっとりすると思いますが、
ここで今一度、本当に必要な機能なのか?を確認して、導入を決めましょう。
決して最新式の機器が悪いと言っている訳ではありませんよ。
どこにお金を掛ければいいのかを、考えて家造りをしてくださいと言っているのです。

 

 

機器関係はリフォームや取替え工事で簡単に交換が出来ますよね。
でも、家の大事な骨組みの部分。
家本体は、リフォームでも交換は出来ません。
少なくともローンを払っている間、
30年や35年は、そのままそこで生活していかなくてはならないのです。

 

ならば、
新築の時に、安い断熱材にして、素晴らしく新機能だらけのキッチンを入れますか?
細い柱の家にやはり高いシステムバスを入れますか?
無垢のフローリングを諦めて、最高級トイレを導入されますか?

もちろん、ご予算に余裕があれば、全て導入できるかもしれませんけどね。
しかし、予算で悩まれる方が多いのも現状です。

 

家自体の機能は交換できません。

 

地震にも強くて安心できる。
断熱性が高いため夏は涼しく、冬でも暖か。
科学物質を極力使わずに、自然素材で健康に暮らせる。
そして頑丈な構造で長持ちする家。

 

まずはそんな家を選ぶのが最初の選択肢だと思います。

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本当に住みたい家ってのは
どういう家なのか?

後悔しない家造りをしましょう。