月別アーカイブ: 2023年3月

70年

令和5年 この4月で当社は設立70周年を迎えます。
社屋正面看板を「Thanks 70th Aniversaly 設立70周年バージョン」
に変更しました。

70年前に富山市総曲輪にて「株式会社富山装飾」として設立した当社。
先代であり私の祖父である島田一三が、個人事業として「島田商店」を開業した2年後です。

大東亜戦争に兵士として従軍していた祖父ですが、
話によると、出兵する前に終戦を迎えたとか。
京都府舞鶴の基地から富山までぎゅぎゅう詰めの列車で戻り、
焼け野原になった富山市内を見て、ものづくりをしようと決意したそうです。

その後5年ほど家具工場で修業をして、家具の製造販売を手掛ける島田商店を開店。
祖母がミシンが出来たという事から、カーテンの裁縫も始め、その流れで壁紙・カーペットなど
インテリア全般を取り扱うお店になりました。

同じ町内に佐藤工業さんがあり、佐藤工業さんからホテルや病院やビルの内装の仕事を頂いて
事業を大きくしてきました。

今でも佐藤工業さんからはお仕事を頂いております。
70年もお取引をして頂ける事は大変ありがく思うと同時に
先代含め、ずっとトミソーの信頼を損なわずに頑張ってきてくれていた
諸先輩方の努力にも感謝しています。

店舗の二階に先代一家が住んでいた時、電気配線が原因で火事を起こした事があったそうです。
業績の厳しい時には従業員への給料の遅配をした事もあったそうです。
会社に残っている古い手書きの決算書を全部見ました。
残ってる資料には一度も赤字決算はないのですが
過去にはキャッシュフローが回ってない時期があったのかもしれません。
貸借対照表や不動産簿価を見ても、なんとなくそんな形跡が感じられます。

バブル絶頂期、
今考えれば狂ってるのでは?と思えるほど景気上昇している時代。
キャッシュ回りよりも先行投資を優先していたのだろうと
想像がつきます。

私が祖父から経営を継いだ10年前。
最初は決算書の見方なんて全く分かりませんでしたが
徐々に勉強をして色々と理解をしていきました。
なんでこんな投資をしてたの!!
と腹立だしいくらいの数の不良物件がありました。
(計画的に処分していますが、今もまだちょっと残っています)
今考えたらそれが「ザ・バブル時代の投資の在り方」なんでしょうね。
しかしそんな事も全く分からない私は、祖父とよく衝突しました。

親族で事業継承する際によく聞く話。

こんなの押し付けられて!!
といつもぷんぷんしていました。
こんないい会社を継がせて頂いているのに
罰当たりなご子息です。

とうとう、感謝の気持ちを伝えられずに
3年前に祖父は亡くなりました。
晩年は随分と認知症が進んでいましたので
話しても通じなかったと思います。

父を通り越して、
祖父から継いだ二代目です。

同じ環境の人は少ないでしょうから
私の立ち位置や立場が理解して頂ける方は少ないと思います。
が、多分皆さんが想像する以上に幸せです。

60周年の時も私は代表取締役社長でしたが
先代も代表取締役会長として元気にしてました。

その時は60年という重みを感じる事はなく
その時その時の、腹立たしいとか、楽しそう
という感情で生きていたと思います。

理想の未来からの逆算思考ではなかった。

今。
代表取締役という肩書きを一人で背負っています。
そういう肩書きがある、ない関係なく
今は70年の重みを感じています。

これから70年この会社を良くしながら
続けて行くという理想の未来を想像できるから。

 

70年は凄い。と我が社ながら思えると共に
この会社を創ってくれた祖父、
並びに先輩方皆様に敬意と感謝を表します。

Thanks 70th Aniversaly

もちろん支えて頂いた地域の皆さまへのThanksでもありますが
先代に伝えたい言葉でもあります。

ありがとうございます。

そして、
次の100年に向けて、
必ず良い会社にし続けていきます。

就活生のみなさんへ

3月に入りまして、
いよいよ就活シーズンがスタートしました。
「就活シーズン」という言葉もなんか嫌なのですが
就活サイトやリクルート会社がエントリーを開始するのが3月1日0時0分。
ここは当社もそれに合わせるしかありません。

昨年の春から2024卒生に向けて
インターンシップを開催してきました。

当社がインターンで伝える事はトミソーの魅力や
自社の採用の事ではありません。

「はたらく」事の意味、意義、楽しさ、大変さを
はたらく先輩である我々が魅せる。
それにより就職する事にワクワクしてもらいたい。

という想いだけです。
なんだかんだ3月に入りまして、
会社説明会を随時開催していますが、
根本のところは全く変わらず。
先週も書いた様な「はたらくを考える」イベントなども実施しています。

さて、
先週の「はたらくを考える」イベントの前に
うちの採用担当の鬼原がTwitterで「就活」と検索したところ

#就活しにたい
#就活まだやってない
#就活鬱

の三つのワードが検索ランキングのトップ3になってたそうです。

こんな日本でいいのか?
ちょっとおかしくないか?

学生さん達は就活に全然ワクワク出来ていない・・・

なんか、学校も親も周りの空気も
「内定」を獲る事がゴール!
「内定」をはやく獲るんだ!
「内定」こそ正義!
みたいな感じになってませんでしょうか。

こりゃいかんなあと。

採用を結婚に例える事もありますし
我々経営者は採用を出産に例える事もあります。

採用とは、一緒にはたらく仲間、
家族を迎え入れると同じ事です。

 

私はインターンや、(時間があれば)会社説明会で
就活生に向けて、会社を船に例えて話をします。

会社説明会のパワポの86ページ目。
(自分で作ったパワポですがページ数に驚いています)

あなたはどの船に乗りたいですか?
学内説明会や合同説明会では、一定数の人が豪華客船に手を上げます。

理由を聞くと「豪華客船は楽しそう」という答えが来る場合もあります。
(ここ数年は減ってきた感があるのですが)
「楽しそう」素晴らしい答です。

しかし問題は「お客として乗るのか?」「クルーとして乗るのか?」です。

豪華客船にお客で乗るつもりでいませんか?

会社を船に例えた場合、
乗る目的は「はたらく」事。
お客さまを幸せにするためのクルーとして乗る事を
第一に考えなくてはいけません。

クルーとして、豪華客船の乗客を迎え入れて
最高の旅行体験をしてもらう仕事に「楽しさ」を見出しているか?
が大事なのです。

でも
説明会にいくと
年間休日は何日
有給取得率は何日
福利厚生は何日
など、条件の話ばかり聞かされて、
まるでお客さまを迎え入れるがごとく会社をアピールしている。

本当に自社の事でアピールすべき内容は
この船は、どんな考えの船長で、どんな仲間で、どんなスピードで、どこを目指していくのか?
のはずなんです。

この船が進んで創り出す未来にはどんな幸せが見れるのであろうか?
だと思うんです。

幸せの方向性や考えは人それぞれです。
船長の思う幸せが自分も納得できるか?

 

就活生はこの3月、いろんな船が停泊している港にいます。
ここから、自分が家族の一員になって目的地を目指せる!と思える船を探して見つけ出す。

内定が出る、出ないは
落ちる 落ちない
ではなくて、
合う、合わない
というだけ。

内定がもらえないからって焦らなくてもいい。

かならず自分にあった会社が見つかるはずです。

出来るだけ多くの会社を訪問し、出来るだけ多くの大人と会話して
自分のあった船をみつけましょう。

 

 

 

はたらくを考える

あまりここでは告知をしてきませんでしたが、
なんだか接点のあった学生さんも、こんなおっさんのブログを読まれているとの事で、
今度開催するイベントの告知をしてみたいと思います。

 

新入社員研修で4泊5日かけて全国の中学生と登山をする研修の話はここでも書いたかと思います。

「若手塾」と銘打って、新入社員として入社した4月から、最終講は3月31日まで1年間、
研修をします。
その中で一番大きく象徴的なカリキュラムが「令和の武者修行」として行われる登山研修です。
全国から若手社員と同じ人数の中学生があつまり、力を合わせて登山をします。

観た方も多いかもしれませんが、昨年の武者修行のムービーを貼っておきます。
※今日の記事の直接的な内容ではありませんが、時間があればぜひ観てください。
どういう想いが根本なのか? 片鱗が感じられると思います。
(25分あります)

私も含めて、この新入社員研修に若手社員を参画させている経営者は、一年間みっちりこの若者たちに寄り添います。
他社の社員、うちの社員、関係なく。
この富山の地で共に目標に向って進んでいる仲間の元に入った希望でしかない若者達。
その全員が「我が子」です。
そういう「お父さん達」が見守って寄り添って、
社員を採用し、育てていく経営をしている会社がある。

という事を目の当たりにした若手社員達が
昨年立ち上がりました。

「この考え方をもっと多くの学生に伝えなければいけない」

という事が発端で「シン・就活塾」という活動が昨年に爆誕しました。

・内定をもらう事が就活のゴールじゃない
・なぜ就活をしなければいけないのか
・自分を殺して、隠して、会社って入る所なのか

昨年就活を経験して「今の就活はおかしい!」と考えた先輩たちが企画したイベントです。

※前回の「シン・就活塾」のダイジェストムービーです。
今日はこれがメインなのでぜひ観てください!(5分半あります)

参加企業は前回8社ありましたが、自社の説明はほとんどなし!
自社の採用のためにやっているイベントではないんです。
これから就活を目前にし、社会の中に漕ぎ出していく若者に、一人でも「はたらくこと」を前向きに捉えて欲しい。
これからはたらく会社と出会う「就活」にワクワクして臨んでほしい。

ただ、その一点のみがこのイベントの趣旨です。

自社の経済合理性から観たら、まったく無駄な事かもしれませんが、
未来の希望でしかない若者たちに向けて
我々大人が
本来は魅せないといけない背中。
本来は伝えないといけない言葉。
本来は紡いでいかないといけない希望。

就活が始まったこの3月
ツイッターで「就活」と検索すると
#就活しにたい
#就活まだやってない
#就活鬱
がトップに出てきます。

信じられない世界です。
悲しいです。
こんな事で日本の未来が明るいわけがない・・・

なんとかこういう前向きになれない学生さん達に
届いてほしい。

全然非力な活動で、大きな波はまだまだ起こせませんが
間違っていると思える事は「間違っている」
とはっきりと発信していく事が大切。

これはこはやライフワークとして
続けて行くつもりです。

https://forms.gle/4yFShWPUrrhGgPwn8

3月22日 はたらくを考える 申し込みフォーム

 

 

リクルート動画が出来上がりました

 

トミソーのリクルート動画が出来ました。
完成まで時間がかかりましたが、
良い内容になったと感じています。

仕事内容や待遇の話を一切なくし
どういう思いで仕事をしているか?
どういう事を大事に仕事をしているか?
どういう仲間と仕事をしたいか?
が社員の皆の言葉で語られて、
そして私の思いも表現できて
完成まで時間はかかりましたが良い動画になったと感じています。

今日は文字で多くを語らなくてもいいかな。
ぜひこの動画を観てください。

会社という所は

先日、仲間の経営者と話していた時にでた言葉が印象的でした

「会社という所が、業務をするだけの場所になり下がってしまった」

 

岡田准一君が特別に好きって訳ではないのですが
「海賊と呼ばれた男」
「燃えよ剣」
の二つの映画が大好きです。

今、考えると
こういう時の「会社」というのは「同志」の集まりだったなあと感じます。
新選組を会社とするか?は微妙ですが食い扶持を貰っている時点で同じかなと思います。

何かを成し遂げるための集まり
世の中を変えたい!
困っている日本のためにやらねば!
という強い志をもつリーダーに、
同じくその志をもつ仲間があつまる「同志」の集団

そこには苦楽を共にし、時には命を懸けて
明るい未来を信じぬく。

全く「業務」じゃない。
やった「業務量」に対して「対価」が支払われる関係ではない。

働き方改革やらで仕事が出来る時間を制限して
働く時間を少なくすることが本当に幸せか?

リーダーは
同志と集う時間が「幸せ」と思える集団を目指さなければ。

有名な3人のレンガ職人さんの話

レンガを積んでいる職人さんに
「今、何をしているの?」と尋ねました。
一人は
「レンガを積んでいる」
一人は
「教会を建てている」
最後の一人は
「街の人の未来の役に立っている」

この三人がどのくらいレンガを積む事での幸福度が変わるか?
計り知れません。

会社を業務をするだけの場にしてはいけない。
そのためには「誰かの役に立つ、誰かのためになる」事業をしていかないといけません。
そしてそれを仲間に語り、伝えていく。

リーダーは、強い志をもって
誰かの未来を幸せにする事を目指さなければいけません。

それは、社員と言う同士も幸せにする事に繋がります。