価値の最大化

日本の住宅事情を鑑みるに
1960年から1970年代に住宅金融公庫が融資基準にした
「公庫基準」が、いまだに大きな影響を残していると思えます。

都心のマンションバブルに始まり、
住宅需要が異常な盛り上がりを見せました。
高度成長期で所得がどんどん上がる中、
マンションは抽選でなかなか住めない。
とりあえず木造住宅の軒数が沢山必要になった時期です。

住宅には、高性能・高品質・住みやすさ
ではなく、とりあえず公庫の基準に合っていて
融資が受けられればなんでもOKでした。

同品質(決して高い品質とは言えない)同価格(高くはない)
で大量生産できる家が必要とされました。

住宅会社は品質で勝負する必要はありません。
皆と同じモノを造っていれば売れた時代です。

住宅ローンが30年に設定され(簿価年数はなぜかもっと短い)
家の価値がぐんっと落とされた時代です。

いまだに、ぞの歴史を背負い、その流れから脱却できていません。

 

住宅会社は自分達で自分達の売る商品の価値を下げました。

 

今、法律や世論も含めて
高性能化が進んでいます。
断熱性能、耐震性能、エコ化、リサイクル、持続可能性、環境対策・・・
丈夫で、長持ちして、ランニングコストがかからず、二酸化炭素排出が少なく・・・

チェック基準も莫大に増え、中間検査も増え
提出書類は莫大な量になりました。

町の腕と人情でやっていたような個人の工務店は
簡単には・・・いや、もう建てられなくなるのではないでしょうか。

 

家が商品と化してしまった今。
大手ハウスメーカーは毎年目標棟数〇〇棟!
それを達成しないと企業が立ち行かなくなりますから
仕方ありません。

すると・・・
本当は家が長持ちしてもらっては困るんです。
(もちろん誰も言わないけど)

ドイツの様に、マイスター制度として
職人を大事にして本来の「ものづくり」を大事にしている国は
家は普通に100年住むものとして扱われています。
家の価値を落としていないから
その家づくりに携わる人々の価値も守っています。

日本で住宅事業に関わる私が言える事ではありませんが、
日本の住宅事情は完全に破綻していますよね。
これ以上人口が増える事はない。
建築できる土地も国土も限られている。

新しく建てる家に、「新しい・新築」という時限的な価値以外に
どれくらいの価値を付加させられるでしょうか・・・・

だとすると、私達地方で頑張る工務店が目指す価値は
時間が経てば経つほど価値が上がっていくものづくりが必要になりますよね。
歴史や思い出、時間がその家のその人の価値を最大化する。

他にも出来ることはあるかもしれません。

下げてしまった家の価値を上げる。
ものづくりに携わる我々は、今一度そこを見直す
いい時期に来ていると思います。

 

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