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インターンシップ

4月19日の中日新聞オンラインより

 

経団連と大学側が採用・就職活動のあり方などを話し合う協議会が19日、インターンシップ(就業体験)の定義を見直す報告書を公表した。実務の体験を伴わないものはインターンシップと呼ばないことにした一方、企業が採用選考を視野に入れた評価材料を得る目的で実施できると明確にしており、採用に直結したインターンシップが広がる可能性がある。  文部科学、厚生労働、経済産業の3省は、インターンシップは「企業などの場における学生に対する教育活動」であり、人材確保にとらわれない取り組みが必要だと定義することで合意。企業がインターンシップで得た学生の情報は、採用選考には使えないとの考え方を示している。一方、文科相の諮問機関・中央教育審議会の分科会は昨年7月、産学が合意すれば、3省合意の存在意義やあり方について発展的解消を含めて検討するとの見解を表明している。経団連と大学側は今後、3省合意の見直しを政府に働きかける方針。  インターンシップと銘打ちながら、実際は就業体験の機会がない短期プログラムなども増えている混乱を踏まえ、より学生のキャリア教育に資する活動にしようと「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が定義を見直した。協議会は昨年、1日だけの「ワンデーインターンシップ」は認めない方針も打ち出している。  協議会の報告書は、インターンシップとは「仕事に就く能力が自らに備わっているかどうかを学生が見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験を行う活動」と定義した。

 

との事です。
なんだかよく分かりませんが、
「インターンシップ」と名打って開催するものは
複数日にして、学生の教育や就業体験を目的とするものにして、
インターンシップ参加の学生さんの情報を採用活動では使ってはダメ

しかしそれとは別で、採用活動として会社説明や学生評価のための「何か」を開催する事はOK
その「何か」をインターンシップとは呼ばない

様に今後はしていく
って事でしょうか?

 

いずれにしろ、採用のための学生との接点、
評価対象としてインターンシップが行われる事は変わらないでしょう。

トミソーも今年も例年通りインターンシップを開催する予定です。

もちろん来年の採用活動に繋げるためなのは当然ですが、
私達のインターンに対するアプローチは他社とは多少違う様です。

せっかく時間を割いてトミソーのインターンシップに参加してくれたのだから
その時間を1秒も無駄にしたくない。
参加学生さんの為になるコンテンツを準備しています。
なので「ワークショップ」は必須でして、
プランニングやプレゼンテーション、作図体験をする3DAYSインターンはかなり内容の濃いモノになっていますし、
1DAYでも学生さんでは難しい店舗併用住宅の提案ワークなど
店舗と住宅と両方やっているトミソーでしか提供できない内容のモノです。

学生さんの知識向上や業界理解の向上、実際の仕事をする上での図面やプレゼンテーションなど
学生さんのためになる内容にしたいと思って準備しています。

トミソーに入る、入らない、は関係なく
せっかく建築に興味をもってくれたのなら、この業界で働こう!と思ってくれてるなら
富山で仕事をしようと思ってくれてるなら、
頑張ってほしい!という想いを伝えています。

なので、実際の採用活動に直結しない時もあるんです。
特に今、2022卒の学生さんの採用活動を進めていますが
2022は広報職の方を募集しています。
インターンで熱心に建築や営業体験をやりましたが、
残念ながら採用活動には繋がらなかった学生さんもおられます。
設計職を志望されたすごく良い学生さんも来ておられたのですが・・・

 

それでもいいと思って今後もインターンシップを続けて行きます。

 

学生さんとの接点が増えることは確実に採用活動に繋がりますし、
そういう想いで実施していると学生さんにも伝わり、
最終的には学生さんもエントリーしてくれますね。

会社説明会的なインターンや、
学生さんの評価をするためのインターンよりも
「学生さんのためのインターン」を実施する方が、
結果的に良い採用活動に繋がると思ってますので。

今年もトミソーは本当の意味のインターンシップを開催していきますよ!

ちなみに2023卒対象の募集職種は「設計職」です!

社長の生き様

先日の相澤建設さんの経営破綻、
民事再生をせずに破産申請をしたとの事です。

本当に内情は全く分かりませんが、
再生の道はなかったのか?
と、答えは出ませんが頭の中でぐるんぐるん考えるんです。

4月6日の夕方に相澤会長と相澤社長が、社員に「会社を守れなかった」
と倒産を伝えたとの事。

相澤社長とは面識があったので
余計にいたたまれません。

同じ富山で、
近い業種の会社で私と年齢も近い。

自分の事ではありませんが、
想像しただけで胃がキューっとなります。

今週はどうも気分が乗りませんでした。

 

先日、トミソーの社員研修がありまして、
その講師の方が、参加した社員に会社の仕組みを説明しました。

決算報告書の損益計算書はその年の会社の成績
貸借対照表は会社が出来てからの貯金や資産や借金の記録
「社長の生き様が貸借対照表に現れる」と

本当だなあと感じました。

私が社長に就任した時の貸借対照表は先代社長の生き様そのものでした。
高度成長期を駆け上がって来た方です。
投資のやり方、資産の価値の考え方、借金の量。
当時はびっくりしたモノです。

私が就任して9年目になりますが、
今の我が社の貸借対照表は、先代時代と私の8年の生き様が現れています。

最初の3年、4年は何が何だか分からず、
とにかく借金を減らしたい。と思いながら経営を勉強して・・・

ここ4年で、資金の考え方や投資、クラッシュ&ビルト
随分と筋肉質の貸借対照表になってきたと思います。

当時は先代はなんでこんなやり方していたのだろう?
と疑問に思う事もありました。
「生きた時代が違うから、考え方が違うのは仕方ない」
と言ってくれた方もいますが、その時は自分の価値観に当てはめて
「自分ならこうしなかったのに」と思ってました。

これは正解のない世界です。

ご自分で創業され、ものすごい苦労をしながら
高度成長期という時代を生きた、先代の生き様が
その時のトミソーのあり方にまざまざと出ていましたね。
あれは私がどうこう言うべきものではありませんでした。
誰に何を言われようと先代の生き様です。
立派なものです。

それから9年

迷って迷って、何をすればいいのか分からなかった最初の3年間も含めて
今のトミソーの現状は、良い所も悪い所も、私の生き様が現れています。

面白いですね。
こうやって生き様を残せる事は幸せかもしれません。

そう考えると、
相澤さんが選んだ道も、彼の生き様。

良い、悪い、などありません。

 

私は私の生き様として、
トミソーを若い世代に託せる様に、
頑張ろう!と気持の整理がつきました。

自ら厳しく律するという事

いま、住宅業界では欧州産の木材の輸入数激減と
それに伴う価格高騰が大変な問題になっています。

欧州材、特に米松が入って来ないそうです。

その大きな理由はコロナではなく
「アメリカの住宅需要が急激に伸び、そのためにアメリカに材料が集中している」
そうです。

なぜ今アメリカの住宅需要が高まっているのか?
リーマンショック
(※個人的にはサブプライムショックと言う方が正しいと思う。
詳しくは「マネーショート」という映画を観るといいです。
アカデミー賞候補に挙がった映画で面白いし、
サブプライム問題の事実が良く分かります)
そのサブプライムショック以来、約10年、アメリカの住宅着工棟数は
それ以前の1/10以下に下がっていたそうです。

アメリカは住宅を転売する事が日本よりも常態化しているので
中古住宅の流通は活発です。

そして、なぜこの世界的なパンデミックな時に住宅需要が伸びてるか?
・金利が驚くほど下っている事
・リモートワークで郊外に住む人が増えている事
・ベビーブーム以上のミレニアム世代(30代前半)の人口が増えていること

簡単に書くとこういう理由で、
いま住宅需要が急増しているなか
先程の理由で市場に住宅がない。

中古住宅の価格がどんどん上がって
空前の(また?)住宅バブルだそうです。

まあ、これもいつか破綻しそうですが・・・

アメリカに材木が集中する理由
・需要が急増
・家の価格も上昇
・高くても木材を仕入れる
・輸入に関する規定が(日本より)甘い

といったところでしょうか。

ここで一つ気になるのが一番下の
規定が甘いという所です。

日本のJAS規定というのは世界的に見ても
かなり厳しいようで、これをクリアして日本にモノを輸出する事は
なかなか大変だそうです。

欧州の材木会社からすれば
規定が甘く、高く買ってもらえるなら
もちろんそっちに売りますよね。
日本では出回らない粗悪な材料でも買ってくれるんだから。

冒頭でも書きましたが
日本の住宅業界に激震を起こしているこの輸入材の不足問題。
集成材と呼ばれる貼り合わせた柱や梁をメインで使用していた住宅会社は
かなり厳しいでしょう。
その材料のほとんどは米松系です。(カタログにはホワイトウッドと書かれています)

お陰様で、当社は基本的な構造材は
出来るだけ無垢材を使用したり、国産材を使用したりと
構造材にはそこまで大きく影響は出ていないとの事です。
(プレカット工場の取引先曰く)
しかしこの先は分かりませんね。

すでに羽柄材といわれる
構造ではなく、天井ボードを吊る下地材や
壁の石膏ボードを貼るための下地材などには
米松材等を利用していました

今はなんとか材料を変えたりして対応しています。

当社もここはぐっと我慢して対応していくしかないでしょう。

この問題は一時的なものなのか?
長期的に続くのか?
コロナと同じでちょっと予測がつきませんが

材料の流れは、輸入業者が利権で動く以上、
大体の予測は付きます。

利で動く人の考え方は単純ですからね
「儲かるか? 儲からないか?」
です。

これも大事な事なんです。
しかたない、会社や企業や個人が継続していくには
儲かるか?が大事ですから。

 

しかし、
利権というのは違います。
「いかに楽して儲けるか?」
を基準にしているとしっぺ返しをくらいます。

材木流通のみなさん。
いまこそJAS規定の厳しい日本に輸出しよう!という
会社を創りましょう。
高い金額を出して仕入れるのではなく
値段は据え置きで、日本のJAS規定をクリアしてもらえる方法を
頑張って見つけてもらいましょう。

するとその業者さんは、ものすごいスキルとノウハウがつきます。

他社が、楽に安く買ってくれる国へ、楽して売っている間、
自分は、コストを抑えながら厳しい規定をクリアする努力し続けていると
アメリカの住宅バブルが弾けた時、
圧倒的な差が出ているでしょう。
同じ価格(利益率)で品質の良い材料を自社しか提供できない!
となると、バブル崩壊後に必ず訪れる価格競争(値引き競争)に
巻き込まれずにすみます。

「不況こそ絶好のチャンス」

かの松下幸之助さんや稲盛和夫塾長もおっしゃってました。

不況の時でも
自らを厳しく律する

「自律」

が大事だと思います。

 

日本にはJAS規定を緩める様な特別処置はとって欲しくないモノです。

追記
「マネーショート」
本当に面白いです。
好きな俳優さん出てるのもありますが、必見です。

真似の出来ない事 その2

前回のブログでは真似の出来ない事「唯一無二の事」は
時間と歴史が必要と書きました。

そして、もっとその唯一無二性を高められるとするなら
「集団の力」が加わった時だと感じます。

人間一人で時間をかけて到達できる領域はもちろんあります。
その人のもともと持っている能力に熱意と前向きな良い考え方が掛け合わされれば
一人の力でものすごい領域に行けるでしょう。

能力の差も大きく響いてきます。

もともと能力は確かに低いが、
情熱を持った人はどうしたらいいのか?

そういう時は同じ考え方の人と力を合わせれば
一人では到達できない領域に行けるでしょう。

この「同じ考え方」の集団の人数が大きければ大きいほど
出せる力が大きくなる。

熱意が熱意を呼び、誰にも到達できない事が実現できるでしょう。
こういうテンションの高い状態が長続きするためには
常に上へ上へ目指して行かなければなりません。
途中で満足してしまったり
ゴールを設定して、そこで止まったりすると
それ以上は成長しません。

このテンションの高い時間が長ければ長いほど、
ものすごい事を成し遂げて
他の集団が追いつけなくなります。

一人一人の力が小さくても
考え方が同じ人が集まれば、
もしくは考え方を(ベクトルを)同じに持って行けば
唯一無二の事を成し遂げられます。

なぜ、唯一無二を目指すの?
二番じゃダメなんですか?

ダメなんです。

それではこの先の見えない世界を生き抜いてはいけないと思うのです。
使い古された言葉を使うとランチェスター戦略と言うやつですね。

その話は、またいつか。

 

小さな市場でもいいので
そこで一番をとる。

一番っていい響きじゃないですか。

全員でそれを目指していきます!