企業の在り方のパラダイムシフト

新型コロナ感染症の影響は計り知れませんね。
コロナ関連で、飲食業や旅行業、宿泊業、運輸業など
直接的なダメージを受けた業種以外にも
ジワジワと他の業種にも波及してきています。

オンライン化や在宅ワークが進んで、IT関連企業の業績は伸びましたが
そのITインフラを欲している企業の業績が落ちる事と
インフラがある程度整ってしまうと
また緩やかに悪化するでしょうね。

コロナの影響は全業種に多大な影響を及ぼしています。

昨年の段階で、いつか来るだろうなと考えていましたが
予想をはるかに超える速さでその影響は波及していますね。

そして、中国の恒大集団のデフォルト問題(これは必ず日本の投資型不動産業界にも多大な影響を及ぼします)
あと3年半後に来るコロナ対策融資の返済猶予の期限の問題
ウッドショックにミートショックに
全てのモノの価格が高騰する中、企業業績は悪化して
給料は下がる一方。
働き方改革で残業をして稼ぐ事も許されない。

余談ですが、
個人的には働きたい人は働ける方がいいと思います。
特に入社直後の若い人達。
若手とベテランと比べた時、若手が勝てる要素はどう考えたって
「若さ」です。
体力と精神力しかベテランに勝てないんです。
ベテランは若いころは死ぬほど無理をして働いてきました。
働く事は勉強です。働けば働くほど知識と経験がつく。
私もご多分に漏れず、毎日終電まで仕事して、土日も出勤して
さあ遊びに行くぞ!と週末が始まるのが日曜の夕方。
そんな「勉強」を残業代や休日出勤手当を貰いながらやってました。
それでも定時帰宅で休日はしっかり休んでいる上司よりも
仕事はできず、手取りも少ない。
そんなの当たり前だと思ってましたからね。
年を取ってから分かりましたが、
1日8時間、根詰めて仕事をすると、夕方には本当に疲れます。
マジで眠くなります。
たまに18時頃にデスクで一瞬寝落ちする事もあります。
若い頃は1日14時間とか16時間とか平気で仕事していました。
良い、悪いは置いておいて、昔はよかったと言っている訳ではなく
ただでさえ経験と知識がない若者が、早く先輩やベテランに追いつくためには
若さによる体力と精神力で「時間」を人より多く使うしかないと思ってます。
立場上強要は出来ませんが、
このままいけば日本の未来を担う企業人財はどんどん劣化の一途をたどりますね。
やりたい、やりたくないという意見はあるでしょうが、やりたい人にその機会やチャンスも与えられないのは、若者がかわいそうです。

余談は以上。

さて、
このままでは、企業価値が上がる事はなく
業績は悪化、給料も下がる一方。
しかしなぜか株価はバブル期に近い高水準を飛行中
政府は景気は悪くないと公言して
物価は上昇を続ける。

日本の経済はいま、完全に成熟され、
その熟した実を、需要もないのに我こそはと競争しながら生産し続けています。
生産し続けないと、拡大し続けないと、回らない企業システムになっちゃっているからですね。
企業システムという事は経済システムです。
熟した実は余ってきて、腐り始めます。
赤い実がちょっと好評だよ。2%売れ行き上がったよ
という情報を聞きつけると、全員が赤い実を作り始めます。
そしてまた赤い実が腐り始めます。
隣国から大量に安くて品質の悪い赤い実も入ってきて、腐敗を進めます。
宣伝文句は他の実よりも0.5度甘いよ!
こっちは0.3度甘いよ!
本当に厳しい競争社会です。

ここで、「酸っぱい実」を売り出してみよう!
というチャレンジ精神やリスクテイクが出来ない社会になっています。

最近「リスクをとらない事が最大のリスクだ」というテレビCMをよく見ますが
あんなのリスクじゃありません。
完全にデータに基づいた戦略です。
でもあれしきの事をリスクと考えられるほどの戦略しかできないんです。
これ、大企業さんはしかたないんです。

ベンチャー企業が突拍子もないアイデアが出せるのは
リスクの天秤に載せる資産が少ないから。
「失うものは何もない」というやつです。
資産がマイナスも場合もありますね。
背水の陣ってやつです。

とはいえ、
この先、今のままの熟した実を売っているだけでは
もう背水の陣が迫ってくることは間違いありません。
その時期がコロナで早まりました。

今のトミソーも。
今の感じでコツコツやっていれば、
もしかしたらあと10年とか20年はやって行けるかもしれません。
(もちろんその都度、ブラッシュアップはしていくでしょうけど)

しかし、そういう文化でそだった社員は、やはり「酸っぱい実」を提案できなくなるでしょうし
上司も「分からんけど賭けてみよう!」とGOを出せないでしょう。

そんな人材しかいない会社では、
30年は持ちません。

ましてや100年先なんてまったく無理でしょう。

トミソーが、
自分の代までとりあえず持てばいい
と考えたなら、リスクはとらない方がいい。
新しい事をやるって大変だし、面倒だし。

でも、未来の社員の事を考えたら。
今から皆の意識を変えていかないといけない。

日本の企業はきっと今、そういう分岐点に立たされています。
気付いていない人も多々あると思いますが・・・

リスクをとって、酸っぱい実も苦い実も辛い実も
とりあえず、前例がないとか、作るの大変とか言って頭ごなしに否定するのではなく
まず、「いいねそれ、とりあえず自分達で食ってみようぜ!」
くらいの考え方で進められる企業文化がないと
この先続いていかないでしょう。

考え方のパラダイムシフトが必要です。

 

 

本当は財務や損益、貸借の面でも考え方のパラダイムシフトも書きたかったのですが
今日は文字数も増えたので、気が向いたらいつか書こうかと思います。

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