哲学

昨日ですが、私が運営委員として参加しています富山県デザイン協会が主催のセミナーに参加してきました。

小泉誠さんは三年前にもJCD(日本商環境デザイン協会)としてデザインフォーラムを開催した時に高岡にお呼びしまして、今日でお会いするのは2回目でした。

その際は、「能作」さんの新社屋の話がメインでしたので小泉さんの活動に関しては
あまり触れられず。

今回は能作社長よりのご希望であえて「能作」には触れないで講演を頂きました。

家具を中心としたプロダクトデザイナーではありますが、
考え方が本当に素晴らしかった。

プロダクトデザインを通して、人の動きや気持ちまで影響を与える事はもちろんですが、
その会社のブランドを作り、その社員の誇りを醸成し、その会社の歴史を作っていく。

過去にモノだけデザインして、それを作る人や売り方、考え方まではほったらかしだった
「デザイナー」が多かった事でデザイナーの信頼が無くなって来ていた。
それを小泉さんは「デザイナーの信頼回復」をまず考え(ご本人は全く悪くないのに)
その先に、日本のバラバラになって点在しているモノ創りをデザインを通して線でつなぎ、
それが全面的に広がると面になる。
それが私の野望との事。

多分、生で話を聞かないと分からないと思いますが、
とにかく自分のデザインに対する哲学(フィロソフィ)がある。

小泉さんは今年60歳だそうで、15年後に私はあそこまでの境地に達していられるだろうか。

また、すごく素敵に感じたのは
「このころは悩んでました」など素直に弱いところも晒す。

凄く応援したくなってきますよね。

本当に悩んできたのでしょうね。

日本のモノづくりに関して、石器時代からさかのぼり、
歴史を紐解き、現状を分析する。
そして、悩んで悩んで自分なりの「いい未来」を定めて野望を腹に入れる。

しかもそれを絵にかいたもちにせず、
いい未来に向けて一歩づつ一歩づつ前に進めておられる。

いや、かっこいい。

 

この人、かっこいい大人です。

 

そしてたどり着いた一つの想いは
「ものづくりはひとづくり」

との事。

 

ここに関しては、まだまだ浅い自分と同じ気持ちだなあと
凄く嬉しかったし、自信にもなりましたね。

 

プロダクトデザイナーとインテリアデザイナー

ハウスデザイナー(施工企業内のデザイン部署)とアトリエデザイナー(デザイン事務所の人)

 

でもそれぞれデザインに対するアプローチが違うので
まったく同じ考えにはならないのですが、
その芯が同じだったので本当に共感できましたし、
小泉さんの活動の全てに納得がいきましたし、
その活動の内容や発想や進め方には度肝を抜かれます。

迷いもない(様に見える)しバイタリティもすごい。

 

私は私なりのフィロソフィで頑張ろう!!

っと刺激を頂いた1時間半でした。

 

そして、
トミソー3DAYSインターンに参加してくれてた富山大学芸文学科の学生さんが
友人を連れてこのセミナーに来てくれました。
ありがとうね!

インターン参加の子は建築専攻ですが、のこり二人は工芸専攻の子らしく、
小泉誠さんはまさに神様!(そりゃそうだよね)

せっかくなので、終わってから直接話を出来る時間を設けてみました。
(ちょっとドヤ顔)

工芸の学生さんからの
「デザインって楽しいですか?」という質問に
小泉さんは
「楽しそうに見えない?」とのご返答

本当に楽しそうに見える。
本心からそう言える小泉さんってやっぱりすごいな。

 

そして、
質問した学生さんの気持ちも良く分かる!

多分今、苦しいんだろうね。
就活も控えて、会社に入って仕事をしていかなければならない。
その先に楽しみってあるのかな?って、心配になるよね。

また、もしかしたら学校の課題や授業がなかなか「楽しみ」を感じられないのかもしれない。

その質問をニコニコで話をする小泉さんに向けたくもなるよね!

 

小泉さんだってきっと苦しい時期もあったと思う。
悩んで悩んだ時期も絶対にあった。
だから安心しても大丈夫。

続けて行くことが大事!

学生時代は自分のためにデザインしてる。
その中で悩みや楽しみが感じられないのは、スキルやテクニック、知識やセンスに価値を見出しているから。

もちろん、最低限のセンスやテクニックは必要だけど、
ある程度まで行くと、それは当たり前になってくる。

経験を積んでいけば、ある程度の「いいデザイン」が出来る様になる。

 

次は想いが大事ですね。

誰のためにデザインするのか?

その対象が自分から他人(お客様、関わる人、ユーザー、製造者、社会の人)になると
楽しさが倍増してきます。
評価軸が変わるから。

小泉さんの講演でも、僕のデザインした家具、素敵でしょ?なんてお話しは一個もない。
デザインが素敵なのはもうある意味ドレスコード(最低限の身だしなみ)
その先の人と人との関係や想いが凄く大事。

 

 

と、いう事が少しでも感じてくれたセミナーだったと思います。

これ、来年からきちんと大学へも告知するべきだな。

 

 

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