月別アーカイブ: 2020年9月

哲学

昨日ですが、私が運営委員として参加しています富山県デザイン協会が主催のセミナーに参加してきました。

小泉誠さんは三年前にもJCD(日本商環境デザイン協会)としてデザインフォーラムを開催した時に高岡にお呼びしまして、今日でお会いするのは2回目でした。

その際は、「能作」さんの新社屋の話がメインでしたので小泉さんの活動に関しては
あまり触れられず。

今回は能作社長よりのご希望であえて「能作」には触れないで講演を頂きました。

家具を中心としたプロダクトデザイナーではありますが、
考え方が本当に素晴らしかった。

プロダクトデザインを通して、人の動きや気持ちまで影響を与える事はもちろんですが、
その会社のブランドを作り、その社員の誇りを醸成し、その会社の歴史を作っていく。

過去にモノだけデザインして、それを作る人や売り方、考え方まではほったらかしだった
「デザイナー」が多かった事でデザイナーの信頼が無くなって来ていた。
それを小泉さんは「デザイナーの信頼回復」をまず考え(ご本人は全く悪くないのに)
その先に、日本のバラバラになって点在しているモノ創りをデザインを通して線でつなぎ、
それが全面的に広がると面になる。
それが私の野望との事。

多分、生で話を聞かないと分からないと思いますが、
とにかく自分のデザインに対する哲学(フィロソフィ)がある。

小泉さんは今年60歳だそうで、15年後に私はあそこまでの境地に達していられるだろうか。

また、すごく素敵に感じたのは
「このころは悩んでました」など素直に弱いところも晒す。

凄く応援したくなってきますよね。

本当に悩んできたのでしょうね。

日本のモノづくりに関して、石器時代からさかのぼり、
歴史を紐解き、現状を分析する。
そして、悩んで悩んで自分なりの「いい未来」を定めて野望を腹に入れる。

しかもそれを絵にかいたもちにせず、
いい未来に向けて一歩づつ一歩づつ前に進めておられる。

いや、かっこいい。

 

この人、かっこいい大人です。

 

そしてたどり着いた一つの想いは
「ものづくりはひとづくり」

との事。

 

ここに関しては、まだまだ浅い自分と同じ気持ちだなあと
凄く嬉しかったし、自信にもなりましたね。

 

プロダクトデザイナーとインテリアデザイナー

ハウスデザイナー(施工企業内のデザイン部署)とアトリエデザイナー(デザイン事務所の人)

 

でもそれぞれデザインに対するアプローチが違うので
まったく同じ考えにはならないのですが、
その芯が同じだったので本当に共感できましたし、
小泉さんの活動の全てに納得がいきましたし、
その活動の内容や発想や進め方には度肝を抜かれます。

迷いもない(様に見える)しバイタリティもすごい。

 

私は私なりのフィロソフィで頑張ろう!!

っと刺激を頂いた1時間半でした。

 

そして、
トミソー3DAYSインターンに参加してくれてた富山大学芸文学科の学生さんが
友人を連れてこのセミナーに来てくれました。
ありがとうね!

インターン参加の子は建築専攻ですが、のこり二人は工芸専攻の子らしく、
小泉誠さんはまさに神様!(そりゃそうだよね)

せっかくなので、終わってから直接話を出来る時間を設けてみました。
(ちょっとドヤ顔)

工芸の学生さんからの
「デザインって楽しいですか?」という質問に
小泉さんは
「楽しそうに見えない?」とのご返答

本当に楽しそうに見える。
本心からそう言える小泉さんってやっぱりすごいな。

 

そして、
質問した学生さんの気持ちも良く分かる!

多分今、苦しいんだろうね。
就活も控えて、会社に入って仕事をしていかなければならない。
その先に楽しみってあるのかな?って、心配になるよね。

また、もしかしたら学校の課題や授業がなかなか「楽しみ」を感じられないのかもしれない。

その質問をニコニコで話をする小泉さんに向けたくもなるよね!

 

小泉さんだってきっと苦しい時期もあったと思う。
悩んで悩んだ時期も絶対にあった。
だから安心しても大丈夫。

続けて行くことが大事!

学生時代は自分のためにデザインしてる。
その中で悩みや楽しみが感じられないのは、スキルやテクニック、知識やセンスに価値を見出しているから。

もちろん、最低限のセンスやテクニックは必要だけど、
ある程度まで行くと、それは当たり前になってくる。

経験を積んでいけば、ある程度の「いいデザイン」が出来る様になる。

 

次は想いが大事ですね。

誰のためにデザインするのか?

その対象が自分から他人(お客様、関わる人、ユーザー、製造者、社会の人)になると
楽しさが倍増してきます。
評価軸が変わるから。

小泉さんの講演でも、僕のデザインした家具、素敵でしょ?なんてお話しは一個もない。
デザインが素敵なのはもうある意味ドレスコード(最低限の身だしなみ)
その先の人と人との関係や想いが凄く大事。

 

 

と、いう事が少しでも感じてくれたセミナーだったと思います。

これ、来年からきちんと大学へも告知するべきだな。

 

 

良いもの創りが出来るチームとは?

今週は久しぶりに現場関連の業務でバタバタした週でした。

私がまだ代表になる前から御世話になっているお客様のお店の大改修工事が来週から始まります。
実際の担当は当社スタッフにお願いしていますが、
私もバックアップとして動いています。

今回は特注のガラスケースや長さ3メートルもある特注の吊り下げ照明などを作ります。
私、前職でジュエリーショップやブランドショップの設計・デザイン担当をしていましたので
特注ガラスケース製作に関しては、少なくともトミソーの中では誰にも負けない自信があります。
なかなかこの知識を発揮できる機会はトミソーでは少ないのですが、
やはりスタッフに引き継いでいきたい。
と思いスケッチを図面化してもらったり、その図面をチェックバックしたりしています。

そして、久しぶりにガラスと家具の細かい収まりをミリ単位で考えて・・・
かっこよく、きれいに家具が出来上がる様に図面を作っていく作業は・・・

面白い!

特注の照明器具に至っては、
金物制作してもらっている会社の設計担当の人とあーだこーだ図面をメールでやりとりしながら(もちろん当社担当者に入ってもらって知識を共有しながら)この世に無いものを形にしていっています。

面白い!

金物制作会社の担当者も相当のド変態でして、私達の要望が難しければ難しいほど燃えるらしく
無理かも・・・と思えるものを具現化していく事をかなり楽しそうにやってくれてます。
そういう過程を共に味わえるこの瞬間は本当にモノ創りの楽しさですね!

こういうチームで同じ方向に(しかもド変態チックに)ものづくりが出来るって本当に楽しい!

その担当の方も、「最近は楽ちんなモノばかりだったから、たまには難しいの作らないと腕が鈍る」との事。
本当にそうだと思いますね。

私、代表になってなければ、ずっとこういうモノ創りをしていられる仕事していたいですもん!
これは、設計・デザイナーとしての喜びや幸せをすごく感じる瞬間なんです。

しかし、仕事歴の中でもそろそろ会社代表でいる期間がデザイナーでいた期間に追いついてきました。
今では会社皆で、いい会社を創るというモノ創りに楽しみを見出しています。

 

当社の木下常務も今、ヘルプ&教育という観点で現場に入ってもらってます。
本当に忙しい毎日を送っていますが、
流石、過去はトミソーの現場監督の鬼として腕を振るっていた方です。
現場が楽しそうです。

日々、常務として人事や社内整備に取り組んで頂いていますが、
やはりモノ創りに魅せられた人間なんですね。

そして、そんな常務にも現場監理の安全や品質には一言あって、
ここは私では全くかないません。
トミソーで20年現場監督をやってきた方の知識と意識は素晴らしいですね。

 

それぞれが、それぞれの経験や積んできた知識、環境によってモノ創りに拘りや考えがあります。

私達の世代は中途入社したメンバーが多いので
育ってきた環境が違う人間ばかりです。

今はそれも面白いと思えてきました。

お互いのモノ創りに対する想いをぶつけ合いながら、
もっといいものを創っていって、それをトミソークオリティとして昇華させていく。

本当に面白い仕事です。

新卒の子達にそれを引継ぎ、また自分達の視点で昇華させていってほしいですね。
幸いトミソーはゼネコンさんの下請けや設計事務所さんからの仕事も受けておりますので
そこで他の会社の拘りやいい部分を吸収する事が出来ます。

いやー トミソーってなんていい会社なんでしょう!(^^)!

 

さて、
私がいま補助に入っているお客さまとの打合せでも、担当スタッフの新しい提案を聞いて
「私ならこの提案はしなかったな・・・」と思う場面がありました。
お客様にそれを了承頂きましたので、
今回の大改修は、私がデザイン担当をした物件 ではなく トミソーでデザイン担当をした物件
となるでしょう。

昔は「俺が! 俺が!」だったのですが、
最近はそういうスタッフが頑張ってくれている場面を見ると嬉しくなります。

チームでやるモノ創り

一人で踏ん張ってやるよりもずっと面白いですね。

薄々勘づいてはいましたが

先週の日曜日ですが
誘われまして富山未来共生会議という会議に参加してきました。

富山市が主催している企画でして
富山市民、もしくは富山の未来に何か役立ちたい!って考えている人達を集めて
対話を行い、何かしらの進言や行動をしていこう!
という会議でした。

応募した市民から選ばれて35名の人が集まり
第一回目の顔合わせと、この会議の意義や方向性、理念のお話を聞きました。
私も誘われて応募しましたら、参加させて頂くことになったんです。
ありがたや。

まだ第一回という事で、この先どうなるか、
どういうゴールを迎えるか?
楽しみではあります。

その第一回目の中で、
富山市役所の担当の方、(多分発足人)がおっしゃった言葉。

「もう富山市の市政は破綻していると言っていいでしょう。
行政の力だけでは市民を守り、導いていく事はできません。
だから、市民の皆様の知恵と力をお借りして、
一緒にこの富山の未来を創っていきましょう!」

との事でした。

「行政が破綻している」なんて話は
テレビや雑誌やネットなどで、コメンテーターや専門家の方々から
良く耳にする言葉ですが、
その行政の人の口から出るとは思ってもなかったので
びっくりしました。

そして、
まあ、そうだよね。
と薄々勘づいてはいましたが、
確信として実感しましたね。

こんなセリフ、長い事税金を払い続けてきた一部の方が聞いたら
怒るってもんじゃないでしょうが、

私を含め、富山未来共生会議に参加しているメンバーはそうは思わなかったと思います。

もともと自分の手で富山を変えるんだ!みたいな意気込みで参加されておられる
鼻息の荒い方もおられましたが

私はちょっと違っていまして。
その話を聞いて、びっくりもしましたし、
そうかー やっぱりかー だよなー
というちょっとした落胆もありましたが、

意外と外部環境や外的要因をウジウジ言っても仕方がない。
与えられた環境でなんとかするしかない!
と、ある意味前向きな性格なので、

まあ、自分達の身は自分達で何とかしていかなければいけないな。
自分たちの住んでいる街も自分達でなんとかしていかなければいけないな。

と、富山の未来を共に生きていこう!
という富山未来共生会議のテーマそのまんまの考えに至りました。

本当に単純で操りやすい人間だと思いますよ。自分。

しかし、変にカッコつけて話されるより
素直にそうやって話してくれる方が、この人のために何か出来るかな?
という気になりますよね。

次回が楽しみになっています。

 

また、その夜は
富山の建築業に関わる方々でWEBでのミーティングを行いました。

日本の建築業界は、今年のコロナの影響で、リーマンショックと同じくらいの
生産性減少率まで落ちているそうです。

リーマンの時は、ショック前の水準まで戻るのに9年もかかったとの事。

今回のコロナショックも、元に戻るまでもっとかかるのでは?
それまで耐え抜いて頑張ろう!
というお話もありました。

これも皆さん薄々勘づいているとは思いますが、

去年の水準まで、日本国内の建築業の水準が戻る事って・・・
この先あるかな?

私はナイと思ってます。

ただでさえ、住宅着工棟数が減ってきているところでした、
人口だって減っていく一方です。
企業倒産件数も昨年の2019年、リーマン以来初めて前年を上回りました。
日本のGDPがこの先はじわじわ下がっていくだろうなって思っていたところへ
コロナがそれを早めただけです。

また落ち着くまで我慢!

なんて言っていたら、
落ち続けていくのを待つだけになります。

行政も当てにできません。

 

しゃあないですよね。
行政しかり、コロナしかり、
誰かに当たっても仕方ないので
与えられた環境で、なんとか仲間を守って行かなければならない。

止まって待っていても誰も助けてくれやしないのです。

 

自分から動かないと。

 

コロナでなかなか動けないところではありますが
動かないとどっちみち縮小の道しかなくなりそうです。

リスクはどこにでもありますが、
今から、未来を変えるくらいの行動をしていかないといけませんよね。

と、いう事で躊躇していた活動を前進させようと思います!

 

もちろん感染対策は十分に取りながら進めますよ

 

3DAYSインターン

最近はこのブログで日々の出来事や行事を書かなくなってるんですよね。
コロナ過になって以降
社会の事とか、会社のこの先の事とか、経営の事とか、人と人の事とか、
そういう事を題材にブログを書いていました。

最初は意識的にそうする!と決めた訳ではありませんが、
書きたくなる題材がそういう方向になってきたのでしょう。

そして基本的には週1回、毎週金曜日にブログをアップしよう!
と決めました。※これはかなり意識的に

何かを習慣化する事は凄く大事だと考えていまして、
自分の考えを週に1回必ずブログでアウトプットすると決めると
自ずと1週間でその同量以上のインプットが必要になるわけです。

週1で考えをブログにアップするために、
その1週間は神経を研ぎ澄まして生活し、何かしらの気づきやインプットを得ないと
いい内容のブログは書けない。

別に毎日「ブログネタ、ブログネタ」って生活している訳ではありませんが、
潜在意識の中で、ふと感じた事や気付いた事、おかしいなって思った事を言語化する癖がついてきました。
言語化する事はとても良い事で、自分の考えがまとまります。
習慣化してくると、この言語化が上手くなり、はやく出来る様になってきたと感じます。

この良いサイクルを回していきたいな!と思ってます。

なので(基本的に)ブログアップも週末の毎週金曜日としています。

と、
前置きが長くなりましたが
(今までが前置きだったのか!!!)

昨日で今年の夏の3DAYSインターンシップが終了しました。

今年は金沢工業大学、富山大学の学生さん2名に参加頂きました。

トミソーのインターンは基本的に「当社の採用活動のため」ではなく
「参加してくれた学生さんのため」を優先して実施しています。

このコロナ過の中、ただでさえ夏休みが少なくなっているのに
3日間も時間を割いて参加してくれてますから、絶対に有意義な時間にする!という意気込みで私も挑みました。

彼らは来年の春から就活を始める訳ですが、
会社を知る事は会社説明会や1DAYインターンでその会社の雰囲気や大枠は分かると思います。
この夏の3日間を使って、トミソーの会社の内容をじっくり知ってもらう必要はないかと。

なので、ここでは「仕事として図面を描くという事、仕事としてデザインをするという事」をみっちりと学んて貰います。

もちろん、会社の案内や説明も最初にします。
トミソーの得意な事や目指す事もお話しします。

店舗併用住宅なら富山で負けない!という自信がありますので、
他の会社では絶対に体験できない内容の課題を出します。

これもオンリーワンだと自負しています。

店舗併用住宅の設計・デザイン・プレゼンワークが3DAYSの課題です。

 

大学の授業であれば1か月以上かけてやる内容を実質2日半でやります。

実際の仕事でのスピード感も感じて頂きます。

何を大事にしてプランをするのか?
図面、プレゼンは見せる相手によって描き方も変わる
絶対に大事になってくる予算

など、学校の授業ではなかなか知れない生の仕事での
お客様との関わり方を感じてもらったのではないでしょうか?
これ、3日間、私が直に指導させて頂きます。

参加してくれた2名は、いきなり社長が出てきて、
ほぼマンツーマンで接してくるんですから緊張もするだろうし
本当に疲れたでしょうね。

しかしこの経験もきっと彼らの来春からの就活に役立つでしょう。
なかなかの度胸がついたのではないでしょうか?

最終日には先輩社員の前で自分のプランのプレゼンテーションです。
3日間の集大成ですね。

 

昨年より少し課題の難易度を上げた分、
私の指導もちょっと手厚くしたこともあったのかな?

2名ともバッチリとプレゼンテーションまでやり切りました。

先輩社員からのフィードバックの一つ。

「設計された空間には、すべてのモノに意味がある。
今日はその事に少し触れられたと思うので、これからいろんなお店や施設に行ったときに
なぜここにこれがあるんだろう?など、考えながら生活するといいよ」

うちの社員ながら本当にいい事言うなあ!

 

2名とも本当にお疲れ様でした。

 

こんなにあっという間に過ぎた3日間はなかったという感想も頂きました。
また参加したい!という感想も頂きました。

充実して、彼らの未来に価値を提供できたのであれば本当に良かったです(^-^

トミソーに入る、入らないは関係なく。
いつかプロとして、同じ建築を目指す仲間として、北陸、富山で輝いて頂ける事を願ってます!

 

あ、もちろんトミソーが気に入ってくれたら、来春に応募してくださいね!

 

 

今週の大きなインプットとしてはこのインターンでしたね。
私もまた新たな発見がありました。

 

参加してくれた学生さん、
私の去年のインターンのブログを読んでくれて参加を決めたそうです。
「どこまで遡ってブログを読んでんねん!」って突っ込みましたが

こういう日々の活動を紹介して
その中で感じた事、思った事を発信する事も大事だなあと
改めて思いました。

また来週は1DAYインターンがあります。
そこでも新しい気づきが得られるんだろうなと今から楽しみにしています。