日別アーカイブ: 2019年12月26日

YKK本社とパッシブタウン見学

12月20日の事ですが、
不動産部門、マンションリノベ部門のスタッフと7名でYKKさんのパッシブタウンを見学しに行ってきました。

YKKさんの計らいで、せっかくならと黒部のYKK本社内にあるセンターパーク、
丸屋根展示館、吉田忠雄ホールなども見学コースに入れて頂き、
しっかりと半日の見学コースとなりました。

さすが世界のYKKさんです。
黒部に複数ある工場の中で本社もある敷地のなかの「センターパーク」と言われる
誰でも入れるエリアに案内頂きました。

YKK50ビル
50周年の時に建てたビルだそうで、築30年以上経っていますが、
改修を繰り返し、中もきれいでした。

電光掲示板に「welcome to YKK 2019.12.20 株式会社トミソー 御一行様」の文字が

 

中でYKKの歴史などの説明を頂きました。
基本的に撮影は禁止でしたので、この辺の写真はないんです。

ファスナーとアルミサッシで発展してきたYKK
驚いたのは、ファスナーを造る機械やアルミを射出する機械なども自社で開発している事。
世界どの工場でも同じ自社工場で製作した製造機械で造るので、高品質をどの国でも担保できます。

素晴らしいですね。

 

その後、敷地内の丸屋根展示館へ。
ここはYKKの初期の工場の建屋をそのまま残し、一部改修して展示館にしてあります。

子供向けにファスナーやサッシを展示してあるブース。
基本的に撮影はここだけOKでして、それ以外にも大変興味深い展示がたくさんありましたが、
残念ながらお見せ出来ません・・・

YKK創始者の吉田忠雄氏の事を展示してある吉田忠雄ホールは大変良かったです。
今回の見学のメインはパッシブタウンだったのでここはさっと見ただけで帰りましたが
吉田忠雄氏の経営哲学「善の循環」の考え方も素晴らしく実際にその考えを元に今でも経営されておられる事に感動します。

中にはカフェテラスもあり、YKKが出資しているブラジル農園のコーヒーが飲めます。
美味しかったです。ごちそうさまでした。

カフェのテラス席は、温かい時期は気持ちいいでしょうね。
YKKのセンターパークや吉田忠雄ホール、丸屋根展示館は一般公開されているとの事なので
またゆっくり見に来たいと思いました。

その後、バスで移動しまして、
まずはK-TOWNの横を通過しました。

ここは電鉄黒部駅前に造ったYKKの独身寮です。もう分譲宅地か団地です。
残念ながら中は見れませんでしたが、きっと中も素敵なんでしょうね。
建築としてもかっこいいですし街がいい雰囲気になってます。

これは北陸新幹線が開通してさらに電鉄黒部駅前が寂しくなるかもと危惧したYKKが
駅前活性化のために独身の若者に駅前に住んでもらおうという事で造った独身寮の街「K-TOWN」
まさに「善の循環」 利益を追求して経営しているが、出た利益は地域や人のために循環させようという考えの元で進められています。
現在電鉄生地駅前に「I-TOWN」を計画中との事。

本当に素晴らしい。ただのボランティアではない意味のある、全員がWIN-WINになるCSR活動ですね。

すぐ近くではありますが、「パッシブタウン」に到着。

a+u 2018年4月号別冊にて特集されていた建築です。
一度見たかった。

まずは第三期棟にあるレセプションルームへ。

第1期工区(新築) 第2期工区(新築) 第3期工区(リノベーション)
全て設計者が違っていまして、各々のパッシブデザインに対する考え方の違いを見る事が出来て面白いですね。
協力してプロジェクトを進めたそうですが、内心ライバル心バチバチですよね!

パネルで見るよりも早く実物で実感したい!
という事で早速第三期工区(リノベーション棟)から見学しました。

モデルルームを内見しました。
リノベーション棟との事で、パッシブデザインの考え方よりもリノベデザインの手法が勉強になって、凄い良かったです。

洗面台の正面が窓で庭や景色が見える。
これ素敵ですよね! 鏡は横にあります。
これなら毎朝顔を洗う度に気持ち良い気分になれると思うんですよ!

単身用の寮ですから、トイレは洗面所と同室です。
昔は独身用のアパートなどに、お風呂とトイレがユニットで一室で造られている事は多々ありますが、洗面所とトイレが一室なのはいいですね。
トイレしながら歯を磨けますね! 時短になりますね。
(やってみたい!)

コンパクトに暮らすデザインのアイデアがたくさん詰まってて、大変勉強になりました。

続いて、第二期工区 鉄筋コンクリート造の家族タイプの寮に移動。

その寮の道の正面に民間の運営ですが、カーシェアリングのあるパーキングが。
富山の街中でもなかなかないですが、
さすがYKKの社員寮の目前。
きっと転勤者などおられるでしょうから、いいビジネスモデルだと思います。
通勤はYKKのバスが往復してますから、普段は自家用車必要ないでしょう。

そして、世界中から従業員が集まってくるのでしょう。
第二期工区の1階にはテナント?なのかカフェとビーガン対応レストランがありました。
ワールドワイド!

モデルルームに入ると、パッシブデザインとは全く関係ないのですが
柳総理さんとイームズさんがお目見え。

うーん。素敵!

じゃなくて、
パッシブデザインのお勉強。

テラス部分と室内部分の熱伝導を抑えつつ、鉄筋強度を保つシステム。

素晴らしいとは思いますが、私達の建築にはなかなか応用できないなぁ。

ドア上の通気扉。
YKKの室内ドアの既製品でこれがあるそうです。

続いて、第一期工区の建物へ

光の入り方を考えて、南面を階段型のテラスに。
ここで光と風をコントロールしているそうです。
間取りも上の階へ行くほど小さくなるそうです。

モデルルームは1階なので一番大きな間取りの部屋。
バイオマス燃料や地下水を使い、温水や冷水を各部屋へ循環して冷暖房としています。
この日は暖房。 床暖房と

パネルヒーティングでした。

凄い暖かい!

しかし、夏はさすがに厳しいらしく、エアコンが追加設置されていましたね。

地球温暖化ですから世界的な設計家さんの最先端のパッシブデザイン建築でも対応できない温暖化・・・

建築で出来る範囲の事はやっていかないといけませんね。

 

以上、YKKとパッシブタウンのレポートでした。

正直、パッシブデザインの内容はすぐに自分たちの建築に反映できる事ばかりではありませんでしたが
大変勉強になりました!

吉田忠雄氏からの学びもありました。

YKKのスタッフさん、今回はいい機会を頂きましてありがとうございます。