今日は、北陸新幹線が開通するという記念すべき日ですね。
50年越しの夢。 新しい北陸の始まり。
テレビでもラジオでもネットでもこの話題で持ちきりです。
かなり盛り上がってますね。
私は、ちょっと引いた眼で「ふーん」って感じです。
観光やビジネスで、確かに経済効果があるでしょう。
素晴らしい事だと思います。
しかし、本当の意味で、北陸を元気にする!と言うなら・・・
北陸に住む私達の「自力」を高める必要があるはずです。
こんなフィーバーしている今日ですが、
私は自分の日々の仕事が、北陸に住む人たちの「自力」向上に約立つ!と信じていますので、
今日もコツコツと出来る事をしていきます。
ただ、
浮かれてはいませんが、
北陸新幹線開通はやはり素晴らしい事ですね。
さて、
今日は先月に工事の進捗状況をお知らせしていました
小松の食パンのトントンさんのお話の続きを書きます。
そう、小松で卵・牛乳を一切使わないアレルギー対応パンを作ってる
井藤さんの工場直売店のお話の続きです。
これもすでに先月のお話ですが。。。
前回の記事の最後にちょっとだけ紹介しました、
「どんなに予算を削ってでもこれだけはやる!」
と決めて出来上がった看板が届きました。
2トントラックで。
そう、この看板、大きいのです。
トラックから降ろされました。
大きいです。
しかも自立式です。
立看板です。
固定作業も大掛かりです。
コンクリートブロックを地面に埋めて固定します。
大きな自立式ですから、簡単に風で倒れたりしたら大変ですから。
そして、ついに設置。
って、分かりましたね。この看板の「こだわり」ポイントが。
その設置している様子を撮影する井藤社長。
これは、お店の看板でもありますし、
記念撮影パネルでもあります。
全国の卵・乳製品アレルギーのお子様を持つご家族が
ネットじゃなく、直接焼きたてのパンを買いに行きたい!と
このお店に来てくれる訳です。
せっかく遠方からはるばるやってきたご家族のみんなが、
記念に、思い出に残るように!と
打合せの中から出てきたアイデア。
私としても記念撮影顔出しパネルを作ったのは
初めてでした。
色々と試行錯誤を重ねて、問題なく完成しました。
井藤社長と、今回の現場監理の蓑輪君も記念撮影。
北陸新幹線に乗って、きっとこのお店に来てくれるお子さん達もいるでしょう。
記念に、思い出になってくれると嬉しいです。
お店のホームページやブログには
オープンしてからの反応が見れまして、
私はそれを見るのが楽しみになっています。
そうです。
看板の事しか書いてませんが、
お店も素敵になりまして、無事にオープンしました。
まずは、大きな記念撮影看板がお出迎え。
けっこう目立ちます。
壁に貼ってあるメニュー看板は
お店のスタッフさんの手描きです。
温かみのある看板ですよね。
店内は落ち着いた色をベースにしていますが、
パンが並んでいる棚の壁はピンク色
トントンさんのスタッフさんはは作務衣でパンを焼いています。
「和」なのです。
作務衣や着物が似合うお店の雰囲気にしました。
袋売りのパン棚の後ろは作業場です。
ここの棚には焼きたてパンが並び、
外から注文をして、焼き立てパンも買えます。
工場直売店に来ていますから。
お店から工場が見れるのは絶対条件でした。
ここで、卵・乳製品を使わないパンが造られているのです。
そして、その窓の横にはメッセージボードが。
「TONTONのお店に来たよ!」っていう記録を残せます。
これも打合せから出たアイデア。
すぐ一杯になりそうですが、
一杯になったら写真に撮って、壁に貼っていくそうです。
メッセージボード側からレジ方向を眺める。
レジの上には、
なんとも可愛らしいペンダント照明。
ステンドグラスのセードです。
このお店の雰囲気にピッタリです。
このお店は、このほかにもちょっとしたアイデアがありまして・・・
会員制なのです。
会員になると割引があります。
流石に遠方のお客様だけではこのお店を維持できないでしょう。
そこで、近所の方にリピートしてもらうための、
井藤社長のアイデア。
実は最初はブロンズ会員ですが、スタンプ三つ貯めると、
次はプラチナ、次はゴールド、次は・・・
と、なって行く仕組み。
工場地帯のど真ん中、なかなか認知されない立地。
そこでリピーターを増やすためのアイデアですが、
こういう発想が素晴らしいと思います。
2割引と聞いて会員にならない人はいないでしょう。
もちろん私も会員証をもらい、パン買って帰りましたよ。
そんな感じで、無事にオープンしました!
って記事を。
本当は先週にアップするつもりだったんです。
そう、何も問題なくオープンしていれば。
オープンした次の日に、井藤社長からお電話があり、
「問題発生!問題発生!」
「お店から作業場まで、声が通りません!」
「焼きたてパンの注文が、作業場まで歩いて行かないと出来ません!」
という、
なんという初歩的ミス!!
恥ずかしい。
そうです。
アレルギー対応のパン屋さん。
工場や作業場にホコリなどがちょっとでも入って欲しくないと考えて
オープンな窓がないのです。
そして、売り場には袋に入ったパンしか並べません。
焼きたての裸で置いてあるパンは、衛生的な面からも作業場でしか扱わない事にしました。
それが仇となり。
お店から作業場まで、声が通らないのです。
よっぽど大声を出せば聞こえるでしょうけど、
お客様がびっくりするでしょうし・・・
うっかりしていました。
そこで
井藤社長からは、マイクとスピーカーを付けよう
とお話がありましたが・・・・
どうも、その通信手段がしっくり来ませんでした。
トントンっぽくない。
そこで、ちょっとお時間は頂きましたが、
当社で、現場監督の蓑輪君とあーでもない、こーでもないと検討を重ねました。
そして、
そのアイデアを井藤社長に伝えると・・・
「その通信手段は、お店のスタッフ同士だけでやるのはもったいない!
ぜひ、お店に来た子供達にも使えるようにしたい!」
と、
本当に遊び心を分って貰える社長です。
大好き。
そして本格的に、検討を開始しました。
なにせ、こんな新しい通信手段を作るのは初めてです。
失敗したらどうしよう。
でも、お金もそんなに掛けられない。
またまたあーでもない。こうでもない・・・・
と準備を進めていき・・・
今日。
その「せかいさいしんのつうしんき」
を設置してきました。
まず一つ目は
レジの後ろ。
売り場係さん用の通信機です。
完全に手作りです。
そして、作業場の中にもう一つ。
これはもちろん作業場係りのスタッフさん用
アイコンタクトしながらも、「通信」が出来ます。
そして、
これが売り場にあるお客様のお子様用
「せかいさいしんのつうしんき」
高さもお子さんが届くように低い位置にあります。
この状態から、
フタがパカっと開くんです。
これに関しましては。ダクト屋さんに作ってもらいました。
図面も描きました。
笑われましたが、こちらは真剣です。
使い方は簡単。
ここから話します。
ここから聞こえます。
そして、お互いに会話が出来ます。
お店に来た子供達が、
作業場のスタッフさんとこれで会話が出来る。
井藤社長とは「ラピュタのドーラの飛行艇通信機」
これだけで通じました。
世代ですね。
上手く行くか・・・
ドキドキしましたが、
ちゃんと聞こえたので、一安心。
子供達が、お店に来てこれで遊んでいる姿を想像すると・・・
ワクワクしてきます。
こんなパン屋さん。
絶対に他にありません。
井藤さんはいいます。
「私とお客様はパンで繋がっているんじゃないんです。
そのパンを通じて人間として繋がっていつんです。」
素晴らしい言葉だと思いました。
卵・乳製品アレルギーのお子様を持ったご家族の方は、
トントンのパンでどんなに救われたのでしょうね。
妹がアレルギーだから、お兄ちゃんは今まで妹に気を使い
妹に隠れてパンを食べていた。
それがトントンのパンなら家族みんなで美味しいパンが食べられる。
そして、
こういうご家族が日本全国からパンを買いに小松まで来る。
いや、
ただパンを買いに来るんじゃないんです。
井藤社長に会いにくる。
そして、このパン工場は、そういうご家族にとって
いわば「聖地」みたいなものなのでしょうか?
うーん。聖地は言いすぎかな。
せめて「観光地」?
なら、
せっかく来たなら、楽しい思い出を作って帰ってもらおう!
という目的で作られたお店です。
今回は、最初の打合せの段階から、
最後のトラブルの対処方法まで、
その「目的」に則って
そして何より「楽しく」仕事させて頂きました。
そしてワクワクもさせて頂きました。
これから、
きっとトントンさんのホームページやブログ
フェイスブックページで
このお店に来たご家族やお客様の写真がアップされていくと思います。
楽しみです。
これで、
今回の食パンのトントン 工場直売店のお話は終りです。
が、
井藤社長のお話は
この先もどんどん大きくなって、
きっとまた楽しいエピソードが聞ける事でしょう。
夢のある漢ですから。
そして、出来ればそのエピソードに今後も私達は関われたら嬉しいです。
本当にありがとうございました。