日別アーカイブ: 2017年1月30日

デザインフォーラムにて

2017空間デザインフォーラムチラシ完成版

先週の土曜日のお話ですが、
私が所属してますJCD(商環境デザイン協会)という団体があります。
その北陸でのイベント運営を私が任されておりまして、
一年で一番大きなイベント「北陸空間デザインフォーラム」が土曜日に金沢でありました。

内容は、
SDA(サインデザイン協会)さんとDSA(空間デザイン協会)さんと共催で
各団体のアワード受賞者を北陸にお呼びして、三人でお話をして頂こうという内容のフォーラムです。
今年で18回目。 私が運営に参加して5回目になります。

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会場はなかなか趣のある場所でした。

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畳の空間で、こういうフォーラムを開催するのは初めてでした。
パネラーさんとの距離感が近くてよいかな?
と考えていましたが、近すぎず、遠すぎず・・・
いっそのこと座談会的にやった方が面白かったかもしれません。

反省点もありますが、
私がこのフォーラムにかける想いであります

「デザインを志向している学生さん達に、アワードを賜るような日本のトップクラスデザイナーの最前線の話を聞いて、その空気感を感じてもらい、自分の将来に夢を持ってもらう」

という目的は果たせていると思っています。

 

内容も大変面白かったです。
観衆を置いてきぼりにしながらも、
三人でマニアックな方向を突き詰めていく姿勢は、ある意味デザイナーに必要な本質だと感じましたし、
学生さんからの、(パネラーさんから見たら)ちょっとレベルの低く感じるけど、とても学生さんらしい初々しい質問にも、本気でぶつかり、一生懸命その学生さんの事を考えて答えている姿には感動すら覚えます。

三人さんとも素晴らしい方でした。

 

さて、
懇親会も含めて、そのパネラーさん達と交流を深め、仕事に対する考え方などをお話していくうちに
感じる事がありました。

みなさん「人間くさい」んです。

日本を代表するようなトップクリエイターさん達ですが、
仕事のやり方は大変人間くさく泥くさいスタンスで取り組んでおられると感じました。
私は大好きです。人間くさい仕事。

 

懇親会だったかな?
「AIやコンピューターがお客様の要望を聞いて、
星の数ほどあるデータの中からそのお客様にあったプランを探し出し、
ベストにアレンジして、ものの数秒で図面化にて提案できる」
という恐ろしい時代が近い将来やってくるだろうという話を聞きました。

全くそうだろうと思いました。
AIの技術開発のスピードは目覚しく、
あと数年で人間の脳の処理能力を上回るだろうとも言われています。

怖いですねぇ
映画ターミネーターのスカイネットみたいなのが出てきて、AI対人間の戦争なんて起きたら人間は勝てるでしょうか?

しかし、プランニングの戦いでは、
データの蓄積量や、処理能力の速さ、アレンジ能力など考えても、
「パーフェクトなプラン」を求められたら
人間はAIには勝てないでしょう。

 

また、最近 日経アーキテクチュアのサイトで興味深い動画を見ました。
ロボットが建設現場で全自動でブロックを積んでいく動画です。
図面データを打ち込めば、誤差2ミリ程度で自動でブロックを積んでいくのです。

まだまだ研究段階ですし、現在の所はブロックだけですが、
こういう研究が進めば、
これまた近い将来、ロボットが現場で全自動で家を建てる時代が来るかもしれません。

他には、ペッパー君が受付をしてくれるお店もあります。

また、最近google翻訳がアップグレードして、かなり翻訳の精度が上がったそうです。

もっと近い将来、受付や翻訳の仕事も人間からロボットやAIに変わり、
受付嬢や翻訳家の仕事がなくなる時代が来るかもしれませんね。

 

 

効率を良くする。
人件費を抑える。
品質を統一する。
ミスをなくす。
値段を下げる。

という面だけを追及していけば、人間はAIには叶わないでしょう。

大手の企業は、AIを活用してくるでしょう。

住宅業界だけを見ても、
AIがパーフェクトな図面を3秒で描いて、
ロボットが世界中どこでも全く均一な施工レベルで
早く安く住宅を建てる。

大手ハウスメーカーが現在目指している内容を
AIやロボットが満たしてくれます。

人間は負けますよね。

 

 

さて、そんな時。
私達地方の中小企業は何をしなくてはいけないか?

 

大手に負けないように、
自分達もギリギリのスピードで、ギリギリの金額で頑張る?
なけなしの資金をはたいて、自分達も自動化の波にのる?
そんな事をしても絶対に大手に勝てる訳がありません。

 

私は大手が真似できない「人間らしさ」で勝負するしかないと感じています。

 

私の好きな「人間くささ」です。
賞を取るようなトップデザイナーさん達がなぜかかもし出していた「人間くささ」です。

 

どんな世の中になっても、
この世界の消費者、お客様100人が100人、
パーフェクトで安価で統一された品質のものを望む事はないと思います。

 

「手仕事」「人と人との繋がりで出来るモノ造り」「人間くささ」

を大切にしたい!

何割になるかは分かりませんが、
そういう人も必ずおられます。

100対0はありません。

 

そういう人にこそ、我々地方の中小企業は目を向けて
そういう人の力になれる仕事をして行かなければいけないと
強く感じました。

人間だから出来る遊びやファジーさ。
あえてここはかっこ悪くデザインしてみました!とか
あまりにも完璧すぎる提案よりも、ちょっとした余裕というか・・・

「個性」!!

人間ならではの個性!

しかもそれは、いい個性。

人の集合体がチームであり、「会社」です
人が一人ひとり持っている個性をもっともっと引き出して・・・

そうすると出来上がっていく会社としての個性。

 

「トミソーらしさ」!!
「人間くさいトミソーらしさ」!

それが、大手はもちろん、ライバル中小企業でも真似の出来ないくらいの
個性になれば、

どんなにロボットが出て来ようが、

負けることはないでしょう。

仕事は人と人とのぶつかり合いです。

トミソーが、うちのスタッフの集合体として、どんな個性を出していけるのか?

これからの課題でもあります。
量的拡大ではなく、まずは質的成長。
そして差別化。
よくよく考えると、経営の基本であります。

うちのスタッフは皆なかなかの個性を既に持っています。
まとめる私の力がなかっただけ。

まずは、何から始めよう?

絶対にいい集団になれるという自信があります。
(今はまだまとまってないだけです)

 

楽しみです。

 

待ってろよペッパー!
トミソーは負けないぞ。